彼の溺愛の波に乗せられて
私はついまじまじと見てしまう。
兄貴たちも持ってたから初めて見るわけではないけど、これを今から自分が…

そしてサイズがある事を初めて知った。

「雅。見過ぎ」

運転しながらクスッと笑ってそんな事を言われる。

「サイズとかあるんだね」

「あー、まぁそうね」

これ大きいって事だよね?

「大丈夫かな」

「それ心の声? だったら出てるけど?」

そう言って笑われる。
出てたらしい。

「ねぇ! 私緊張してんの!」

「大丈夫だって。俺も緊張してるよ」

「嘘だー。絶対嘘」

「嘘じゃないって」

そう言ってずっと繋いでた手を天寿の胸に当てられる。
トクトクと少し速い鼓動が伝わってきた。
私は天寿を見上げる。

「だろ?」

本当だ。
天寿も私みたいにドキドキしてる。
私だけじゃなかった。
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