彼の溺愛の波に乗せられて
「天寿。当たってる」

わかってんのよ。
仕方ないのよコレばっかりは。

「気にすんな」

雅に笑われながらも何とか耐えて風呂から上がる。

「そろそろ帰ろうかな」

「あ、車も取りに行かないとだったな」

そして名残惜しくも雅をジムまで乗せていく。

「んじゃ、またな」

「うん! 楽しかったね! またね!」

そう言って雅は車に乗りエンジンをかけた。

ん?

「あれ!? かかんない!」

「バッテリー上がったか?」

俺も見てみると、やっぱりバッテリーが上がっていた。

俺は車に積んでいたケーブルを出してバッテリーを繋ぐ。

「ありがと。これ凌雅のお下がりなんだよね」

「そうだったのか。このモデル希少だろ」

「うん。買い替えないとダメ?」

「いや、バッテリーの交換すればまだ全然乗れるだろ」

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