彼の溺愛の波に乗せられて
寝室に行ってめちゃくちゃになったシーツを見て笑ってしまう。

何回交換したんだよこの数日で。

そんな事を思いながら真新しいシーツに交換して洗濯機にぶち込んだ。

その後買い物しに街へ出ると、偶然雅の親友の愛莉ちゃんと出くわした。

「あ！　天寿さん！」

「おお。愛莉ちゃん」

愛莉ちゃんは仕事中なのかオフィスカジュアルなスーツを着ていた。
そして隣にも同じような女性がいた。

「お休みですか？」

「まぁそんなもん。それじゃ」

「はい！　それじゃ」

短く挨拶をして俺はすぐにその場を後にした。

買い物も済んでマンションに戻る頃にはすっかり夜になっていて、仕事が終わった雅からお礼の連絡が来た。

車屋の店員に言われた通りの状況を軽く説明する。

そしてその場でかかった金額を聞かれたので教えれば直ぐに電子マネーで送金されてしまった。

良かったのに別に。

でも雅はその辺きちんとしたいんだもんな。

なんて思い受け取った。
< 180 / 301 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop