彼の溺愛の波に乗せられて

「ん…」

目が覚めると知らない場所。
ビジネスホテル！？

ガバっと起き上がれば俺は何故かバスローブを着ていた。

は！？

嘘だろ…

思い出しても全く記憶がない。

時計を見れば午前0時。

どうなってる！？
一人でここに！？

すると枕元に女物のピアスが落ちていた。

それから俺のじゃない髪の毛も枕に付いていた。

は？

よく部屋を見れば窓際のテーブルにある灰皿に口紅のついたタバコが数本。

ゴミ箱を見ると、ティッシュが丸めて入っていた。

待て待て。

落ち着け。

さすがに意識がない中で抱かないだろ。

やっぱりあの女？
笑ってたよな、俺を見て。
間違いなく何か盛られた。

いやでもないだろさすがに。
ましてや俺には雅がいる。

絶対あり得ない。

ゴムは！？

ゴミ箱の中にはティッシュだけ。
俺は絶対に付ける。

まさか…そのまま？

違うよな？
でも状況からして…

ダメだ。
全く思い出せない。