彼の溺愛の波に乗せられて
『なんだテンジュ! 随分と落ち込んでるようだけど?』

「今日さ、BARで一人で飲んでたんだよ。それで途中で席を外した時に何か盛られたんだ」

『お前、そっちでもそんな事なってんのか? はははは!』

「笑い事じゃねぇんだって。んで目が覚めたら1人でホテルでバスローブ着て寝てたわけ」

『一人で?』

「ああ。でも枕元には女のピアス落ちてるし、口紅のついた吸い殻あるし、ゴミ箱にティッシュ」

『記憶なし?』

「全く。んでシャワー浴びたら胸元にキスマーク付けられてた」

『それ完全にアウトだろ』

「でもゴミ箱にティッシュしか入ってないんだよな。俺絶対付けるじゃん。しかも意識もないし、ましてや彼女以外に反応しないと思うんだけど…」

『確かに。大事なマナーよな』

「だろ? でも全く記憶ないのよ」

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