彼の溺愛の波に乗せられて
「その時は頼むよ」

そして電話を切った。

はぁ。
何すっかな。

カッコつけてる場合ではない。

悪いが早く解決したい。

俺は真夜中というのに雅に電話する。

出るかな。

『ぁい…』

寝ぼけてるー。

「雅。大変な事になった」

『なに?』

「電話だと誤解を招きそうだからこっちまで来てくれないか?」

『はぁ? いまから?』

「俺、たぶん女に襲われた…?」

『襲われたぁ!? 襲ったじゃなくて!?』

なんでそうなんのよー。

「マジでさ。ちょっと、本当にこの状況見せたいから来て」

『どこいんの?』

俺は部屋の案内のファイルを見る。

「◯◯ホテルの702号室だと」

そう言えばブチっと切られた。

いかん。
余計に誤解されたのか?

もう一度電話する。

『なに! 今行くから待ってて!』

そう言ってブチっと切られた。
怖いよ雅ちゃん。
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