彼の溺愛の波に乗せられて
〜雅side〜

夜中だというのに、天寿から意味不明な電話で起こされ私は言われたホテルについた。

「何これ」

そこにはバスローブを着た天寿が一人。

枕元に女物のピアス。
髪の毛。
口紅のついた吸い殻。

ゴミ箱には丸められたティッシュ。

「は?」

何を見せたいわけ?

「最初から聞いてくれ。頼む。あ、一回殴ってからの方が落ち着くならそれでもいい」

天寿はそう言って私の前に立った。

「いや…。んじゃとりあえず話して」

天寿の話しはこうだった。

いつもよく話にも出てくるあのBARに仕事帰りによって一人で飲んでいたら、前に一度愛莉と街で会った時に一緒にいた女が隣に座ってきたと。

んで席を外した隙に何か盛られて意識を無くしたと。

目が覚めたらこの状況で一人で寝てたと。

「アウトじゃないのそれ」

「いや、まず俺雅がいんのに他の女とかマジで無理なのよ」

すんげー必死。
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