彼の溺愛の波に乗せられて
「私の大事な天寿。守りたかったの」

「雅…。ありがとう。本当に頼もしいよ。でも俺もお前を守りたいから。もう一人で危ない事はしないで」

「わかった」

「よし。飯食いに行こう。愛莉ちゃんも呼んで」

「いいの? やったー! それじゃ雅人たちの店にしよう! 愛莉喜ぶから!」

「ああ、そうしよう」

そう言って天寿は優しい笑顔で私を見下ろした。

「天寿っていつも助けてくれるね」

「そうだったか?」

「そうだよ。砂浜にはまった時もだし、海で溺れてると勘違いした時だって服のまま助けに来てくれた。彰人をナンパかと思って来てくれたり、バッテリーもだし。今回も」

「おお。俺ヒーローなれる?」

なんておどけて見せる天寿。

「それに、天寿がここに来てから私毎日が楽しい! ありがとう天寿」

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