彼の溺愛の波に乗せられて
「雅、俺が二人の家でのぐーたら具合を話した事は黙ってろよ」

天寿に耳打ちされる。

「ふふふ。大丈夫」

「ねぇねぇ、雅ちゃん。天寿大丈夫?」

隣に座る寿梨さんに話しかけられる。

「え?」

「寿梨! やめろ」

すると奥に座る天寿が口を挟んだ。

「ダハハハ! 必死かって! こんなに小さくて可愛い子、乱暴したらダメよ?」

そう言って私は豊満な寿梨さんの胸に抱き寄せられる。
うわっ、すんげーいい匂い。
私もクンクンと顔をうずめてしまう。

「バカ、お前もやめろ!」

そう言って向かいに座る雅人に頭を小突かれた。

「いった! 何すんのよ!」

私は雅人を睨む。

「お前今、絶対匂い嗅いでただろ!」

「いいでしょ別に! 最高だったわ!」

チラッと天寿を見れば白目を向いていた。
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