彼の溺愛の波に乗せられて


「愛莉焼けたぞー」

凌雅は愛莉の肉をせっせと焼いている。

「やったー! ありがとう」

愛莉も凌雅も私たちの兄妹喧嘩は無視だ。

「ははは! 雅人くん、私あれ食べたい!」

雅人の隣りに座っていた寿奈さんがお肉を指差す。
雅人がトングを握ってるからね。

「ああ。ごめんな。これ?」

「それ!」

雅人は寿奈さんに言われた通りお肉を焼き出した。

「雅、焼けたよ」

すると天寿もいつの間にか正常に戻っていてお肉を焼いてくれていた。

「ありがとっ! んー! 最高ー!」

目が合った愛莉とハイタッチする。

「俺じゃないんかい」

そっと天寿は左手を下ろした。

「ははは! 天寿、私がタッチしてやろうか?」

そう言って寿梨さんが手を上げた。

「なんでだよ。いいから肉食えよ」

そう言って焼けたお肉を姉に取ってあげるなんだかんだで優しい天寿。

「はははっ! 楽しいー!」

そう言って天寿を見るとニコっと笑ってくれた。
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