彼の溺愛の波に乗せられて
「なに今の! カッコよ!」

凌雅が天寿に目を輝かせている。

「うわー。天寿デレデレじゃーん」

寿奈さんも見てたらしい。

「うるせ。黙って雅人くんに肉焼いてもらえ」

「俺見逃したわー」

なんて雅人も言ってるし。

雅人と凌雅はあのビッグウェーブを見てからというものすっかり天寿の虜になって、私が付き合ったと言ったら何故か羨ましがられた。

「天寿くん、今も早朝行ってんの?」

凌雅が愛莉に肉を渡しながら天寿に聞く。

「行ってるよ。でもさすがに冷たくなってきたな」

「だよなー。早朝冷えるよなー。俺らもう行かないかも」

「みんなサーフィンするの?」

寿奈さんが入ってきた。

「するよ。寿奈ちゃんはしないの?」

雅人が寿奈さんに肉を渡しながら聞く。

「私達はてんで無理。私と寿梨は飛び込みしてたよ」

「飛び込み? あの高い所からクルクルのやつ?」

私も混ざる。

「そ。くるくるーって」

隣の寿梨さんは手をクルクルして見せた。

「「すごーい!」」

私と愛莉は声を揃えて手を叩く。
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