彼の溺愛の波に乗せられて
駐車場でみんなを見送る。

「みんな愉快だったね!」

「ははは。そうだな」

天寿の車に乗るとすかさず頭の後ろに手が回され引き寄せられキスが落とされた。

そして唇が離れた時、外にいた人とバッチリ目が合う。

げ!
優弥くんだ。

優弥くんこと谷口 優弥(たにぐちゆうや)くんは、雅人の同級生で親友。
私も良く知ってる。

よりによって優弥くんに見られるとは。

何かリアクションがあると思いきや優弥くんはすぐに立ち去った。

「雅? どうかした?」

天寿は振り向く。

「な、なんでもない! 見られたかなって思っただけ」

「んじゃ続きは家でしよ」

そう言ってまたチュッとキスをされて天寿は車を出した。
< 211 / 301 >

この作品をシェア

pagetop