彼の溺愛の波に乗せられて

「はいはい」

まただよ。
優弥くんはとにかく軽い。
誰にでも可愛いって言う。

もう口癖のようなもんだ。

イケメンなのに勿体無いというか、イケメンだからこうなのか。

キャラみたいになってる。

「優弥くん、からかってないでちゃんと選んでよ」

するとジッと見下ろされる。

「いやなんか雅ちゃん、久しぶりにちゃんと見たけど、ますます可愛くなったね」

またそういう事を言う。

「それは気のせいだと思うよ」

「いんや、絶対そう。あ、あれか? ついに彼氏でもできたか? いやないか! 女子扱いする男嫌いだもんな?」

なんて言って笑っている。
いや私も今じゃ一端の恋する乙女ですぜ。

「今、彼氏いるよ私」

すると優弥くんは口をあんぐり開けた。
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