彼の溺愛の波に乗せられて


「嫌だー! 嘘だー! 何でー!? ずりーぞ天寿くん!」

「ははは! 諦めろ。雅は渡さないって言ったろ」

そう言って天寿は優弥くんの前にしゃがんで肩をぽんと軽く叩いた。

「マジで。なんで? あんたサーファーだろ? 信じらんねぇ」

「クククク」

天寿は笑いながらも、優弥くんの手を取って立たせてあげた。

「クソー! 優しい!」

何これ。

「あははははっ!」

私も堪えきれず笑ってしまう。

その後もなんだかんだで何回か優弥くんはいろいろ天寿に挑戦状を叩きつけるもこてんぱにやられていた。

「もーまじで! 嘘だと言ってくれー」

「ダハハハハ! 諦め悪いなお前」

雅人が優弥くんの頭を小突く。

「いや、本当にさ。天寿くんバケモンじゃね? 上手すぎるっしょ!」

天寿は気にせずその場でクルクル回って遊んでいる。
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