彼の溺愛の波に乗せられて
「天寿、運動神経おかしいから」

寿奈さんが笑いながら話す。

「昔から何やらせてもヤバくてさ。中でもサーフィンが自分の中で一番苦手だったから、悔しくてサーフィンの道に進んだんだよ天寿。まぁ、パパもサーフィンしてたってのもあるけど」

は?
そこは得意なやつじゃないの?

一番苦手なやつを選ぶって…。
すごいな、なんか。

それには皆んな開いた口が塞がらなくなっている。

「だって筋トレもしてないのにあの体型だよ? 昔からおかしいのよ、そこからして」

確かに思ってた。
特にジムとかに通ってるわけでもないのに何で? って。

「他に苦手な事ってないの?」

私は寿奈さんに聞いてみる。

「ふふふ。ある」

「え、なになに?」

こうなってくると面白い。
みんなも聞き耳を立てている。
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