彼の溺愛の波に乗せられて
その後もみんなで騒ぎながら、たまに寿梨さん夫婦のソリ滑りを見たりして楽しく過ごした。

「はぁー。滑った滑った」

帰りの車の中で私は一日を振り返りながら話す。

「楽しかったな」

「優弥くんの参加と寿奈さんのカミングアウトはヤバかったね」

「本当それ」

そう言いながらも天寿の顔はなんだか満足そうだ。

「カッコよかったよ!」

「音痴だけどな」

ジトっと見られる。
やっぱり気にはしているらしい。

「ははは! いいじゃん!」

「ボイトレ行こうかな俺」

その探究心よ。

「苦手なサーフィンを選んだってのもカッコいい」

「あいつそんな事まで話したのか?」

「普通にすごいと思ったよ。しかもそれでプロまで登り詰めたわけだし」





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