彼の溺愛の波に乗せられて
「オッケー。気をつけてね」

結局私はそんな風にしか言えない。

そっか…
やっぱり行っちゃうんだね。

アメリカはバレンタインは男性から女性に愛の告白やプレゼントをしたり、一緒に過ごしたりするのが一般的だ。

「ありがとう。やっと仕事の整理もついて調整できたから」

天寿は嬉しそうに言う。

仕事の整理…

次は私の整理をする番…だよね…

そして私は決めた。

ちゃんと笑顔で見送ろうって。

天寿は私を誰かと重ねて愛を囁いてくれてたのかもしれないけど、私は本当に好きだった。

こんなにもたくさんの幸せを私にくれた。

人を愛する喜びを教えてくれた。

誰の事も好きになれなくて甘える事を知らなかった私を、たくさん甘やかしてくれた。

そして遂にバレンタインの2日前、天寿は仕事が終わり次第真っ直ぐ経つと言って私を抱いた。
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