彼の溺愛の波に乗せられて
〜天寿side〜

「それじゃ」

日本行きの飛行機に乗り、眠りについて俺はマンションへと向かった。

「ただいま」

シーンとする部屋。

だよな。
いないよな。

そしてリビングに向かうとテーブルに小さな箱が置いてあった。

チョコレート…

そしてその横にはマンションのキー。

俺はすぐに寝室へ向かいおもむろにクローゼットを開けた。

そこにはガランとして雅の服がなくなっていた。

は?

風呂場に向かえば、スキンケアなどもない。

俺は部屋中探す。

ない。
ここにも、ここにも。

どこにも雅の物がなかった。

まさか出て行った…?
俺がいない間に?

なんで!?

今日は雅は仕事だよな?

仕事に行くのにこんなに荷物持って行かないよな?

俺はテーブルに戻ってチョコレートの箱を手に取った。
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