彼の溺愛の波に乗せられて


今日はバレンタイン。
俺の荷物の中には、雅にプロポーズするためにアメリカで用意してもらった指輪が入ってる。

今回渡米したのはそれを受け取りに行くためだった。

すると小さくたたまれた紙が箱の下に置いてあった。

その紙を手に取り中を開く。

"天寿。愛してる。さよなら。幸せになってね"

は?

さよなら?
幸せになってね?

どういう意味だ?

何が起こってる?

雅がいないんじゃ俺は幸せになれない。

は?

俺なんかした?

思い返すも心当たりがない。

アメリカに行くためたったの2日家をあけるだけなのに、俺はそれすらも嫌で朝まで雅を離してやれなかった。

愛してると何度も…

雅もいつもは好きというのに、あの日は愛してると言ってくれたじゃないか。
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