彼の溺愛の波に乗せられて
「雅。俺を見ろ」
私はそっと目を開ける。
「天寿っ…はぁっ…」
そんなに真っ直ぐ射抜くように見ないで…
「目、離すな」
どうしてこんなにも真っ直ぐに私を見つめる天寿を疑ってしまったんだろうか。
何を不安になる事があったんだろうか。
「はぁっ…」
これほど私を愛してくれてる人なんていないのに。
「好き。どうしようもないくらい」
これほど私に愛を伝えてくれてるのに。
「天寿っ…好き」
天寿は身体を起こして私を抱きしめる。
その手は力強くそこから伝わる温もりには天寿の想いが込められていて、どこにも疑う余地などない。
「俺を信じてついて来て」
私を抱きしめ見上げる天寿の瞳は少しだけ不安が見てとれた。
私が天寿に不安を与えてしまったんだ。
「もう大丈夫。何があってもついて行くから」