彼の溺愛の波に乗せられて
何度も何度も押し寄せてくる波。

打ち寄せては引いてを繰り返し高く立ち上った大きな波は、私をまるで愛の楽園にいざなうように絶頂へと導く。

全ては天寿の元へと。

そして後ろに押し倒されベッドに組み敷かれれば腰を沈め、まるで味わうかのように今度はゆっくりと動き出す天寿。

「はぁっ…」

奥まで当たりそうで当たらない。

トンとぶつかる前にグッとそこで止まる。

それを何度も繰り返す。
ゆっくりと。

これはこれで…
焦らされてるみたいで…

お互いの吐息が唇にかすめるあの焦ったい距離感で見つめ合い、堪えきれずキスをする。

眉間にシワを寄せて我慢する天寿の顔。
男性なのに艶めかしく、大人の色気が漏れて溢れ出して見えた。
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