彼の溺愛の波に乗せられて

幸せ

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〜天寿side〜

月日は流れ、両家の挨拶も済んで晴れて俺たちは夫婦になった。

休みが合った今日、買い物しに少し車を走らせ都心に行く事にした。

「こっちまでくるの久しぶりだー」

助手席に座る雅はニコニコとご機嫌な様子で、それを見てるだけで心が穏やかになる。
癒される。

今は春。
桜が咲いて花びらが青空を舞うそんな季節。

そろそろ雅と出会って一年だ。
まさかあの時は一年後こうして野良猫と自分が結婚するだなんて想像もしていなかった。

「天気もよくて良かったな」

「ねっ！　お花見もいいね！」

「少し寄ってみようか」

「行きたい行きたい！」

車を止めて桜並木が立ち並ぶスポットへと向かう。
シートを敷いて花見を楽しむ人達や、歩きながら見て回る人たちで溢れかえっている。