彼の溺愛の波に乗せられて
そしてテントに向かって放送で連絡をしてもらい、その間俺たちも一緒に待つことにする。

「丈慈! 翠!」

すると母親だろうとんでもない美人が慌てた様子でテントに入ってきて迷わず二人の名前を呼んだ。

そしてすぐに父親だろうこれまたとんでもないオーラを放つイケメンが現れて子供達をみるとフッと安心した顔を見せた。

「パパ! ママ!」

二人は両親の元に駆け寄り飛びつく。

映画のワンシーンでも見ているようだ。

両親を見た妹の翠ちゃんは我慢の限界を迎えて泣き出す。
そんな二人を両親は抱きしめてなだめる。

「よかった…無事で。本当に」

そう言って子供たちを抱きしめる両親の顔は慈愛に満ちて愛で溢れ返り、家族の絆を目の前で見せられた。

「パパー、ママー、うゎーん」

しばらくその様子を俺と雅は黙って見守る。
目と目が合ってクスッと笑った。

雅の目にも何故か涙が浮かんでいた。
ははは。

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