彼の溺愛の波に乗せられて
「雅、行こうか」

俺は雅に声をかける。
無事に迎えに来てくれたしもう大丈夫だろう。

「あ! あそこのお兄ちゃん達がここに連れてきてくれたんだよっ」

丈慈くんが俺たちを見ながら両親に伝える。

すると両親はスッと立ち上がり子供たちの頭を撫でたあと2人で俺たちの前までやってきた。

いやいやモデルなんか?

「子供たちが大変ご迷惑をおかけ致しました。ありがとうございました」

父親がスマートにお礼を言う。
めっちゃかっけぇ。

「いえ、俺たちは何も。たまたまだったんで。な?」

「あ! うん。全然気にしないで下さい!」

雅も手をぶんぶん振って答える。

「かわいいー! えー!? お人形さんじゃない! 純平っ!」

クールビューティな見た目からは想像できないようなハイテンションの母親。

「麗。よせ」

旦那さんは呆れたように、それでも愛おしそうに制する。
ははは。
どこの夫婦もこんなだよな。
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