彼の溺愛の波に乗せられて
〜雅side〜

「ん…」

いつの間にか眠ってしまっていたみたいで、窓の外からはキラキラと朝日が燦々と照らされている。

そして私の後ろには裸のまま抱きしめる天寿がまだ夢の中。

そっと顔だけ振り向けば無意識なのにスリっと頬擦りされる。

可愛い。

私も頬擦りする。

するとくすぐったそうに眉がピクっと動いて閉じていた目が開いた。

「おはよう」

「ん。はよ…」

そう言いながら天寿はチュっと頬にキスをするとまた目を閉じた。

ははは。

まつ毛長い。

それにしてもいつ見たってハンサムだ。
今だにわからない。
どうして私だったのか。

私を抱きしめる腕を私は抱えて手を繋ぐ。

その手にはお揃いの指輪が光っている。
天寿と結婚して一年が経った。

まさか天寿と出会った頃、自分がこんな風に誰かを好きになって、ましてや結婚するだなんて想像もしてなかった。

こんな未来が待っていたなんて。

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