彼の溺愛の波に乗せられて
店に入ると結構混んでて並ばないといけなさそうだった。
そして厨房にいる店員を見ると、たまに見かけるあのイケメンサーファーの二人が働いていた。
バッチリ目が合ったのでペコっと会釈をする。
すると二人は厨房から会釈を返してくれた。
顔見知りってだけのこの微妙な距離感な。
すぐに女性スタッフが来て少し待ち時間があると説明される。
「どうする?」
俺はみんなに聞く。
「もう焼肉のお腹になっちゃったよー」
姉の寿梨が言う。
「それじゃ待たせてもらいます」
そう言って待っていれば、わりとすぐに席に案内されて早速注文をして待つ。
「寿奈、髪食ってる。どんだけ腹減ってんだ?」
寿奈の髪を取ってやる。
なんだか視線を感じてそちらを見るとなんとあの野良猫がいて俺と目が合うとすぐにそらされた。