彼の溺愛の波に乗せられて
なんだ?
ここの店はサーファーが集まんのか?
そういえば前にあのイケメンサーファー二人とは仲良さそうに話してたよな。
俺には全然懐かないくせに。
「天寿ー、お腹減ったー」
寿奈が口を尖らせて言う。
「今来るから黙って待ってろ」
うるせーな、いちいち。
「寿奈、見た? めっちゃイケメン厨房にいるよ!」
寿梨が寿奈に言う。
おい、やめろ。見るな。
「うわ! 本当だ! キャー!」
案の定寿奈は騒ぐ。
それを見て寿梨と旦那は笑ってるし。
「うるさい、騒ぐな」
俺は隣で騒ぐ寿奈の口を押さえた。
そしてまた視線を感じてチラッと見ればまた野良猫と目が合うもすぐにそらされる。
いやごめんて。
俺の妹マジでうるさいのよ。
そんな冷たい目で見んなよ。
そしてようやく注文した肉が運ばれてきて俺はいつも通りじゃんじゃん焼いていけば、すかさず焼けた肉を寿梨と寿奈は食べて行く。
「美味しい!」
はは。良かった。美味いのよな。