彼の溺愛の波に乗せられて
「私だって小学校までは大きい方だったんだよ」

「はは。そうなのか?」

「小学生でピタっと止まったけど」

「いーじゃん」

「いいか?」

「デカくてもなかなか大変だぞ」

「そうなの?」

「まずベッドから足出る」

「はは。それ雅人と凌雅も言ってた」

「ん?」

「あ、兄貴たち。雅人が長男で凌雅が次男ね」

「どっちがどっち?」

「んー? 焼肉屋での二人見た?」

「見た」

「タオルかぶってた方が雅人で、髪ゆってた方が凌雅」

「あー、おけ」

「天寿は? 隣にいたのが妹さん?」

「そ。妹が寿奈で、向かい側に旦那と座ってたのが姉の寿梨」

「すごい綺麗だったね」

「家ん中じゃ、二人してどすっぴんにメガネかけてステテコ履いてビール飲んだくれてんぞ」

「ははは! 私と一緒だ」

「お前も? クククク。だよな。そんなもんだよな家でなんて」
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