アイドル茶

1 CHAILO


ケプカはリュックからペットボトルのほうじ茶を取り出して一飲みした
透き通る茶が喉を潤して、臨戦体制を整えた

アイドルデュオCHAILOのライブに参戦する
キャメとブラウの2人は茶を基調としたアイドルだ

茶色・焦茶・黄土
キャメル・ブラウン

ライブ中はスポーツ飲料などではなく、お茶を飲む
ほうじ茶だ
茶系の衣装を身に纏い、透き通る茶を飲む姿がファンの心を鷲掴みにした

鷲と鷹になって大空を強く"かっこよく"飛び回れ

・・・・

ほうじ茶がケプカの喉を過ぎてCHAILOを心に染み込ませた
小岩から総武線に乗る
黄色の電車に20分弱揺られて秋葉原で降車した
電気街の中を抜けていく

一方あるアベックがこの地へ来ていた

「どんな炊飯器買うの、女ちゃん」
「うーん普通の5合炊きくらいの」
「急に壊れちゃったんでしょ、炊飯器」
「うん、安いのでいいんだけど。男くん」

人混みを掻き分ける紛れの内で、男女の間をケプカが裂いた

そんな電気街の喧騒をすり抜けて
裏通りに入ったところで、ライブハウスGUZOに辿り着いた

チケットを提示して入場した
開演15分前のホールで20人ほどの人影の中に溶け込んだ
駆け出しのCHAILOのコアなファンは20人程度で、他のアイドル推しや発掘組が数人参戦する
ライブの観客はいつも30人前後だった

ケプカは今日で5回目のライブだった
顔見知りになった3、4人と会釈程度の挨拶を交わした

リュックからペットボトルを取り出して一飲みした
そのままほうじ茶を握りしめた

回りの男たちも
ほうじ茶を口や手にしていた

・・・・

照明が落ちた

CHAILOの2人にスポットライトが当たる


ステージはデビュー曲から始まった

ファルコン〜
イーグル〜
ホーク〜
フェニックス〜

一番強いのは誰〜

デビュー曲
「フクロウ」

20人のファンがペットボトルを振り回す
お茶の残像と泡立ちを照明が照らした

キャメルとブラウンの衣装で決めたアイドル2人は
ファンを煽って更に茶を沸かした

ケプカは茶を一心不乱にほうじ茶を振った

興奮と熱狂の茶会が催された

CHAILO

茶を点てた
かっこよきアイドルに、なろうぜ

#HAMIRU
#キャメ
#ブラウ
#ケプカ
#CHAILO
#アイドル茶
#20241030

ライブが終わって
ケプカは泡だち残るペットボトルのほうじ茶を一気に飲み干した
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

血,駈ける
ハミル/著

総文字数/6,459

その他12ページ

表紙を見る
エアコン涙
ハミル/著

総文字数/19,741

ファンタジー45ページ

表紙を見る
ミステリH
ハミル/著

総文字数/21,059

ミステリー・サスペンス13ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop