甘いミルクティーを君に、
あんなにあった荷物も3人で運ぶとすぐに終わりそうだ。
その間は少し気まずいものの、他愛のない会話をしていた。
ほんの少しだけあの頃に戻れたような気がした。
大学生のあの頃に。
「あとこれだけかな?」
ダンボールも残り1つになった。
「麻由、これ私運んでおくから、車で待ってるね。大樹くん、またね。」
絵里佳は気を使ってくれたのか、残りの荷物を持つとそのままリビングを後にした。
「あ、おう。またな。」
大樹は絵里佳に軽く手を振ると、再び私に顔を向きなをした。
玄関のドアを閉める音だけがリビングに響く。
どうしよう、何から話せば良いのか分からない。
気まづすぎるよ…。
私はただ空っぽになったリビングを見つめていた。
先に沈黙を破ったのは大樹だった。
「…なんか、麻由ってこんなに物持ってたんだな、気づかなかった。」