シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 それまで彼らが投げつける悪意に負けまいと、気を張っていた私は、コソコソと言い合う彼らを見ているうちに、なんだかガッカリしてしまった。

 私はいつも同じ町の中や時にはこんな風に《混沌(こんとん)の森》で「悪役」「意地悪(いじわる)な姉」という冷ややかな視線(しせん)を感じ何年もそれに苦しめられてきた。

 が、その正体はこんな中途半端(ちゅうとはんぱ)悪意(あくい)で、「一体今までなぜこんな人達を怖がっていたのだろう」という気分だ。

「あーあ、バカみたい…」
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