シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 子供の頃に両親が亡くなって親せきの家ではたらいたり、大人になって家を出てからは色々な仕事を転々としながらどうにか生きてきたこと。

 仕事を何度も変わったのは、行く先々で美貌(びぼう)に目をつけたやとい主やら上司やら同僚(どうりょう)やらに言い寄られたり、それを(ことわ)るといやがらせをされたりしたからだ。

 その後物語が進み白雪姫のママハハである王妃の出番が近付いたのに、誰にするか全然決まらなくてみんながこまっているのを見て、この悪役になろうと立候補(りっこうほ)した。

(この辺は私達シンデレラ町の事情と似ている)。

 子供を持つことがなかった魔女(まじょ)さんは、よい子タイム以外の時間は白雪姫を本当の娘のようにいつくしんで育てた。
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