シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
正直(しょうじき)出番(でばん)なんかほとんど……っちゅうか全然ないに等しくて、オレ、何のためにここにいるのかなー……って毎日思うわけだよ」

「なるほどねえ。……そうなのかい?ペローオオカミ」

 問われて頭を()きながらペローオオカミが答える。

「うーん……そうだな…………。確かに村人達は『女の子は赤いずきんをかぶっているので、村のみんなから赤ずきんと呼ばれるようになりました』ってところで背景にまぎれてちらっと見えるくらいだったかな」

「そうなんだよ。本を読んでるよい子の目に映るとしたらそこくらいで、あとは赤ずきんが住んでいる村に村人の気配(けはい)がする、かなー?ってていどにしか役割がないんでさ」

「ふうーん」

「そうなるとさ、まじめに村人やってんのが、バカらしいっていうか、むなしいっていうか、そう思っちまうんだよ」

「うん、うん」
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