シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「じゃあ、この上でダンスを披露(ひろう)したいんだけど、いいかい?」

普段はテーブル代わりに使っている大きな切り株の上にひょいっと飛び乗り、(かがみ)魔女(まじょ)さんが見渡した。

「もちろんいいさ」

「オレ達も見ていいのかい?」

「うれしいねえ」

「いよっ!(かがみ)の姉さん!」

 やんやの声をあげる男達に、グリムオオカミが「現金なもんだぜ」と苦虫をかみつぶしたような顔をした。
 男達の歓声が静かになると「じゃ、いくよ」と魔女(まじょ)さんが小さい声で合図を出す。

 みんな息を飲んで更に静まり返った。
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