シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「おおう、おませさんフガフガ」

 わかったからシンデレラ、鼻息(はないき)あらくするのやめて。

 そんな風に、この日のランチはペローオオカミ(をからかう)話を中心に盛り上がって終了した。

 午後の練習(はやが)順調(じゅんちょう)に進み、なんとか一瞬(いっしゅん)でドレスに早変わりしたように見える?かな?くらいのレベルまできた。

 あと何回か練習(はやが)を重ねれば、スムーズに早替(はやが)えできるようになるだろう。

 なんだか色々なことが穏やかに順調(じゅんちょう)に進んでいる。来月にはとうとうお城で舞踏会(ぶとうかい)が開かれるのだ。

 5年前にパレードで見た王子様は今やステキな青年になっている。シンデレラがとなりに並び立てばすごく絵になるだろう。

 今も少しだけチクチクといたむ胸を、深呼吸(しんこきゅう)をして押さえこんだ。
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