シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 前はそんな自分の状況(じょうきょう)を受け入れることができなかった。意地悪な姉、というレッテルがいつもまとわりついてくるのもつらかった。
 少し前までは、そんな自分の心のうちをだれにもわかってもらえないという、どこかすねた気分で心がしめられていたが、ここ最近ほかの立場の人達と交流(こうりゅう)するうちに、考え方も変わっていった。

 名無しの人達は名無しの人達で、それぞれ思うところはある。考えてみれば当たり前だ。

 そしてそんな時、ふとこの間のシンデレラの声がよみがえる。

「つまんなーい」
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