シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

夢(ゆめ)、それは夢

 舞踏会(ぶとうかい)当日の朝をむかえた。

 これまでのお話では、姉二人の用意のためにシンデレラがてんてこまいになっているのだが、今回のお話の姉は私一人だけだし、舞踏会(ぶとうかい)本番に備え家事(かじ)一切(いっさい)は前日の夜のうちにメイドさん達がすませてくれているので、実際(じっさい)はそれほど忙しくはない。

 夕方までにシンデレラがしなければいけない仕事は、今日の食事の用意(ようい)と私のヘアメイクくらい。

 それ以外ではるす番してくれる執事(しつじ)さんやメイドさんの夜食を作ったりもしたのだが、これに関しては執事さん達が遠慮(えんりょ)しようとしていたのだけど、シンデレラの方で「もう私がこの家で食事を作ることもなくなっちゃうんだから」と言いはってムリヤリ作ったのだった。
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