シンデレラのないしょ話 ～悪役令嬢だって恋をする～

　ちなみに、我が家ではダイヤモンドの帯(おび)について、どんな帯(おび)なんだろう？と皆で首をひねった。
　
　シンデレラは帯(おび)一面にダイヤモンドを散りばめたものにしようと言い出したが、元々不必要なほどゴテゴテした衣装(いしょう)にそんなものを付けるのはイヤだったので全力で却下(きゃっか)した。
　
　それでなくても飼っている羊の毛を、他の町に売りに行くくらい貧乏(びんぼう)な我が家なのだから、そんな高価(こうか)なものは買えない。

　そんなわけで成金(なりきん)趣味(しゅみ)を絵に描いたような衣装(いしょう)を着て行かなければいけないのに、これでハデなメイクなどしたら道化っぷりに拍車(はくしゃ)がかかり過ぎてしまう。
　
　シンデレラに目立たないメイクをお願いしたのはそういうわけがあったのだ。