シンデレラのないしょ話 ～悪役令嬢だって恋をする～

　グダグダと言えば私のセリフもだ。
　シンデレラの名付けのシーンを見ても、実に不自然であることがわかると思う。
　
　これには理由があり、私のセリフは二人分ある。
　元々シンデレラの姉は二人いたのだが、ここでは私が一人でしゃべっているので、二重人格者(にじゅうじんかくしゃ)みたいなことになってしまっているのだ。

　お父様になぜそんなことになってしまっているのか聞いてみた。　
「それなんだが、本当は母一人に娘が二人いる別の母子がこの家に来ることになっていたんだがね」
「え？　そうなんですか？！」
「悪役を演じるのをイヤがって、逃げてしまったんだよ……」