シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「あの、王子様、聞いてもよろしいですか?」
 
「なんなりと」
 
「先ほどの『じいの(うそ)つき』ってなんですか?」
 
「あ――……あれは……」
 
 王子様はまた頭を()きながらその場にしゃがみこみ、目を泳がせてしどろもどろに話し出した。

「昔、じいに聞いたんだ。『(ぼく)のお嫁さんはシンデレラって人なんだよね?(ぼく)はちゃんと他の娘とシンデレラの見分けがつくと思う?』って」

 少しもじもじとしたように指で地面に円を描きながら話す。

 私も王子様の(となり)にしゃがみこむ。
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