シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「そうしたら、じいは自信満々(じしんまんまん)で『もちろんですとも!シンデレラはあなたの運命のお相手なのですから、ちゃ――んとひと目でわかりますとも!』ってね。『(ぼく)はちゃんとシンデレラを好きになるかなあ?』って聞いた時も『もちろんですとも!あなたが好きになる人がシンデレラですよ』とも言ってたな」

 円を描く指先(ゆびさき)を見ていた王子様はおもむろに顔を上げるが、目の前の私と目が合うと、またすぐに下を向いてしまった。

「……えっと、そんなかわいい顔を近くで見ると、どうしていいかわからなくなるんですけど……」

 今度はこちらがキョトンとする。
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