シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「シンデレラの代わりに、(ぼく)と結婚してくれませんか」

 しかし、その一言は私の目をさまさせるのに十分だった。

「できま……せん……。それは、できません!」
 王子様の手ふふりほどいてさけんだ。

「ど、どうして……?(ぼく)のことが好きだと、たった今言ってくれたじゃないか!」
 
 私の突然(とつぜん)拒絶(きょぜつ)に、王子様はぼう然とした表情になる。その(ひとみ)は悲しそう。
 それでも……
 
「どうしても、ダメなんです!私がシンデレラの幸せをうばうわけにはいきません!」

「シンデレラを、知っているの?」
 
「私は、ジャボットです」
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