シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「それに、とってもきれいな子です。あんなに美しい女の子は、他の街でも地方でも、そうそういやしないわ。シンデレラになるために生まれてきたような子なんです」

 (あの子を見れば、私のことなんてすぐに忘れられます)
 
 心の中だけでそう言いそえた。声に出したら卑屈(ひくつ)に聞こえてしまうだろうから。

「…………うーん。でも……」
 
 ここまで言っても王子様は引き下がらなかった。
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