シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 王子様の言葉を聞いているうちに、だんだん王子様と結婚したいという気持ちにかたむいてきているのを感じていた。
 
 長い間あこがれ続けた王子様から、こんな風に私のことを思ってくれていたと告白されて、気持ちが()らがない女の子なんているだろうか。

 その事実の前には、どんな障害(しょうがい)だって大したことはないと思えた。
 
 例えどんなことだって、乗りこえられる気がする……

 そんな私を、一気に現実に引きもどす声がした。

「お姉様、どこにいるのー?」

 
 シンデレラだ。
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