シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
 だが当の王子様は私をホールドした体勢(たいせい)をくずすことなく、鷹揚(おうよう)にほほえんだ。

「やあ、君がシンデレラだね。(ぼく)はこの国の王子だ。今ジャボットから君の話を聞いていたところなんだ」

「はい、私がシンデレラです。姉がお世話(せわ)になっております」

いつになく優雅(ゆうが)仕草(しぐさ)でスカートをつまみ、王子様に挨拶(あいさつ)するシンデレラ。

 ちょっと待って、何で二人ともこの状況(じょうきょう)でこんなに落ち着いているの?!

 そして、気が付いた。
 今までの、シンデレラを見た男達と、王子様の反応がちがっていることを。
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