シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「エー?ワターシ、ナーニモ、ミテマセーン。はい、(つづ)けて(つづ)けて」

 しげみの奥から、シンデレラが盛大(せいだい)にニヤニヤしながらこちらをながめているのである。

「妹の、家族の前でこんなの、羞恥(しゅうち)プレイですー!!」(じたばた)

「プ、プレイ…」(もじもじ)
 ポッと顔を赤らめる王子様。

「そこに反応しないでください!とにかくはなしてー!」(じたばた)

「だってはなしたら、君また()げようとするでしょ?」

「に、()げません。()げませんからー!」(じたばた)
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