シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
偽物(にせもの)義手(ぎしゅ)だったんですね」

「しかし、よい子タイムにはずっとこの義手(ぎしゅ)をつけていなくてはいけないので、ムレてこまるんだ」

 苦虫(にがむし)をかみつぶしたような表情(ひょうじょう)で言う姿は、なんだかちょっとかわいらしい。

「それで、シンデレラ。どこで船長さんと知り合ったの?」

「そう!だんだん話の核心(かくしん)に近づいてきたわ!」

 人差(ひとさ)し指を立て、すっくと立ち上がるとシンデレラは語りだした。

「お姉さまは、私が最近(さいきん)カリブ料理に()っていたこと知ってるわよね?」

「ええ、カリブ海の海賊(かいぞく)にあこがれたんだったわよ……ね……」
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