シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

二つの条件(じょうけん)と、一つのお願い

「そういうわけで、ある日突然(とつぜん)こいつが私のところを(たず)ねて来たんだ。夕飯の買い物の途中とかいって、ニンジンやら玉ネギやら肉やら魚やら(かか)えてね」

 いつの間に知り合ったのかと思ったら……。

「それで『たまにはおいしいご飯食べたくないですかー?』とか言って、勝手(かって)に飯を作り出して。私の部下(ぶか)達は器量のいい娘が来て、これまで食ったこともないような飯を作ってくれたことで、すっかりこいつに懐いてしまってな……」

「えへへー」

 呆れた……。
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