シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「そして、ペロー地方のシンデレラだと名乗った後、一つ提案してきたんだ。自分を海賊(かいぞく)船に乗せて欲しい、と」

「!」

 まさか、本当に海賊(かいぞく)船に乗りこもうとしていたとは。

 そういう冒険譚(ぼうけんたん)が好きなことは知っていたけれど、本気で実行に移そうとしていたとは、考えてもみなかった。

「シ、シンデレラ、待ちなさい。あなたみたいな女の子に、海賊(かいぞく)なんて危険なことできるわけないでしょう?」

「そうかしら。やってみないとわからないわ」

「お姉さん、私達は役の上で海賊(かいぞく)稼業(かぎょう)をしているだけで、本当に他の船をおそって強奪(ごうだつ)しているわけじゃない」

「でも……」
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