シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「二つ目は『自分が所属(しょぞく)する物語のけじめをつけること』」

「けじめ……?」

「いくら自分の個性(こせい)役柄(やくがら)がはなれているからといって、無責任(むせきにん)に役を(ほう)り出すような者を、私の船に乗せるわけにはいかない」

「かんたんに言えば、シンデレラの代役(だいやく)(さが)し出すことができるなら、この条件(じょうけん)をクリアできるわけ!」

 ここでフック船長、シンデレラ、そして王子様の目が一斉(いっせい)に私に向けられた。

「あ……え……あ……私……?」
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